前回のブログ記事「コロナウイルスで加速するハイパーインフレリスクと一部対策」
に反響があり、Twitterから直接質問を頂いたので、京大MBAでファイナンスも学んでおり、自らも資産家である加藤将太が、あなたの『資産防衛術』についてお伝えします。
まずは、前回の復習を兼ねてインフレの仕組みです。
まず、IOC会長が5月21日(木)に
東京五輪“来年なければ中止”と宣言しました。
来年というのは2021年ですが、コロナは2022年春まで続くと加藤が予想しているのと、
日本で収まっても途上国含む海外の選手が来日というのの実現性に疑問があるので、開催できる可能性は50%未満と言え、
そして来年無ければオリンピック自体が中止ですから、
そこに向けて数兆円投資してきた会社が、その損失を売上に変えられないことが確定します。
流れは、
オリンピック中止
→更に不景気
→お金刷る
→潰れた会社や飲食店多すぎて失業率も消費も元に戻らない
→無理して株価保とうと更にお金刷る
→円弱くなる
→無理して為替介入
→海外のヘッジファンドが空売り
→インフレ勃発
です。
では、インフレ、特に極度のインフレである
「ハイパーインフレ」が起こるとどうなるか?
ざっと書いてみると、
●日本円の減価(為替レート悪くなる)
●株価・不動産急落
※株価急落は不景気や失業率上昇、不動産暴落は資産課税により。
●ペイオフ(1000万円超えた分から30~100%没収)
※外貨はインフレには強いが国内口座は保全されない可能性が高いため全額没収の可能性あり
●1000万円以下の部分の20~40%没収
●新円切り替え
などがあり得ます。
防衛策は外貨に替えておくなどです。
さて、頂いた質問『親からの資産をどうしたらいいか?』に関して、こちらが外貨に替える場合の割合の回答例(外貨限定の場合)です。
まずタンス預金は新円切替のリスクがありますが、引き出せない預金封鎖が怖いので2ヶ月分の生活費が必要です。
下記が、外貨だけにした場合の分散例ですが、
あくまで例えとして、
●米ドル30%
●ユーロ20%
●香港ドル20%
●オーストラリアドル10%
●日本円40%(※必要な分は現金で)
などです。
※日本円以外はどれも30%超えてないのに注目!
ただ上記の例では、生活費必要なので日本円手元などに置いてあるの含めて40%とします。
日本円が40%以上でも必要な分をおいておいたらいいと思います!
特に、後述するように、現金3000万円未満で、海外口座というのは管理の面とか、コロナの中香港に行くのとかハードルがあります。
※現金、ないしは国内金融資産3000万以上の場合は、後の述べる通りやはり海外口座作成がオススメです。
さて、ここで、分散の基本のキです。
これだけ覚えておいてください。
後で説明する理論により、
「3分の1より多くの割合を特定の箇所に置いてはいけない」です。
もう一度言います。
「3分の1より多くの割合を特定の箇所に置いてはいけない」。
例えば日本円を全部銀行口座に置いておくことです。
タンス預金も同じです。
これは全財産の3分の1にしたい。
あと「外貨に替えて日本の銀行においておく」と、ペイオフ(銀行が倒産しても口座の残高1000万円までは守られるルール)が「対象外」なのですが、
つまり、1000万円超えた分とみなされて、没収される可能性があるため注意してください。
また、外貨は為替リスクが存在しますので、資産は減っても増えても気にしない胆力が必要で、少しでも運用を意識するとすぐ溶けますので気をつけてください。
(そもそも防衛策なので、コストとして10%前後値下がりしても気にしないこと。
逆に10%増えることだってあり得る訳ですから。
悪い方に振れたと考える。
あと、特定の資産だけ値上がりしても急にそっちに資産を寄せないことです。
まず30%を超えてはいけないのでリスクがあるし、上がった資産は下がるリスクがあるから上がったのです。
なぜなら、下がるリスクが0なら最初からみんなそれ買ってすでに高かったはずです。
なのに、値上がりしたというのは、放っておかれた訳じゃなく、リスクがあったから、値上がりもしたのです。
このように、上がるものは必ず下がる可能性とセットなので、資産防衛と間違えて「運用」を始めないように注意。
絶対額を気にしだすと運用始めちゃいます。)
さて、もしも実物を持つなら、
金50に対して銀50です。
その実物は個人的には全財産の20-多くて30%で良いのではないかと思います。
また、金は世界的にも高いです。
これから不景気と通貨不安、実物資産への回帰により更に高くなる可能性あります。
が、安くなったりしてその場合も気にしない額を買いましょう。
金:銀=1:2程度で、合計で全資産の20%程度とするとか・・。
銀も金と同じで、当然、安全資産とは言えませんけどね。
一般に金が上がれば銀も少しは連動します。
今、金だけ上がってるので銀の方がお得かも?という話です。
(仮定の話なので鵜呑みにしないでください。
僕はこのメールで1円も貰っていませんし、投資を推奨するメールでも無いので最終的には各自調べてください。)
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さて、リスクの勉強として、下記にブログURLを貼っていきます。
●外貨預金は、1000万円超えた分と同じ扱いになるかも
https://smile-life777.com/2018/10/12/post-2127/
●預金封鎖について解説記事
https://okane-madoguchi.com/deposit-block/
海外銀行口座開設で一番やりやすいのがHSBC香港で銀行口座作ることです。
1泊2日とかで作れます(今コロナで行きにくくはありますが)。
尚、戦後日本では法人口座も預金封鎖の対象になりました。
こちらはキプロスの預金封鎖の記事です。
良く学んでおきましょう。
●キプロスの預金封鎖
https://mag2.com/p/money/21214
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【この記事のまとめ:インフレと預金封鎖対策】
●HSBC香港を作って各国通貨を置いておく(※現預金3000万以上の人)
●株・不動産・債権等(ほどほどしないと経済は今基本マイナス成長です)
●金・銀を半々~1:2くらいで持つ(但し全財産はNG)
●法人口座のお金も安心しない
(1法人1000万まで?・・・とても、少ないですね・・・
会社によってこの作戦は使えないか。法人は1銀行1000万ならできるか。)
●2ヶ月分の暮らしの資金を手元に引き出して金庫に入れておく
などです。
特に全員対象でやるべきこととして、最後のが重要かもしれません。
(家の中の現金は無くなりやすいので注意)
あと追伸も重要です!
■■■追伸1:最後に、資産防衛の本質は「分散」にあります。
仮想の通貨に集中投資は日本円との2箇所の分散になりますが、どちらかが50%以上とか全く分散になりません。
これが余剰資金の3分の1未満でと警鐘する理由。
後でお金に困って日本円に換金とかする人多いです。
※重要※
数理理論では6箇所に分散すればだいたいOKです。
「10~30%(平均30%)」×「6箇所以上」でリスクが分散します。→『10%~多くて3分の1』
リスク分散としての投資は「多くて3分の1」を基本にしましょう。
■■■追伸2:海外口座は現金3000万円未満は要らないかも?
HSBC香港の口座作成について、
作るだけで旅行代とエージェント代で取られるし地味に口座維持手数料も少しですがかかり管理もめんどくさいです
例えば資産3000万までは
銀行口座に1000万、
法人口座か別銀行?等で1000万、
タンス預金500、金・銀500で一応分散します。
ので、現金3000万円までは海外口座なしで分散できそう。
■■■追伸3:資産1000万以上限定ですが
1:金は今買うべきか?→金価格が高いです。銀の方が良い可能性があります(基本は分散)
2:仮想の通貨?→数%、最大でも10%、僕ならリップルにします
3:銀行の外貨預金?→ペイオフ対象外(1000万超と同じ扱い?)と銀行別でもマイナンバーで1つに紐づくので名義が違う銀行に日本円で各1000万以下を。
4:外貨預金?→やっぱり一定額以上となるとHSBC香港などの海外銀行が必要になってくる気がします。
5:マイナンバーで紐づく?別名義の口座?
→マイナンバーで紐づくのは『国内の自分名義の口座』です。
例えば、MUFJと三井住友に1000万円ずつ入れておいても、合わせて2000万とみなされる危険性を言います。
これがMUFJの法人口座とMUFJの個人口座なら(恐らく)別々に見てくれます。
また、別名義とは家族名義を示しています
(贈与税:1人につき年間120万円ずつとかにも注意しながら。
例えば両親にはそれぞれ毎月10万ずつ超えて渡すと贈与税)。
自分2000万より、
自分1000万、妻1000万の方がまだ安全ということを言っています。
※預金封鎖は最近キプロスでも実際に行われたことです。
また、海外の口座はマイナンバー提出しても、国内の権限で没収はとりあえずは難しいと思いますので、国内よりかなり安心という事になってます。