スイスフランが暴騰した:これを期にちょっと経済のお勉強ネタでも・・・

スイスフランが暴騰した:これを期にちょっと経済のお勉強ネタでも・・・

スイスフランが1日で対ドルで3~4割も”暴騰”しました。

歴史的に見ると、通貨危機はイギリスポンド、タイバーツ、韓国ウォン、

近年のユーロ危機、バブルならアメリカの住宅ローン(サブプライム)、1990年日本の土地バブル。

古くはオランダのチューリップから、バブルは発生していました。

現在も日本は知らないうちに「国債がバブル化(過剰に信用がある)した」とされており、これがはじけると日本円は安くなります(はじけるかどうかは誰にも予測できないが一定確率であると言える)。

なぜこういうことが起こるかというと、市場は”不完全”だからです。

市場が”完全”とは、プレーヤーである国民全員が、「全く同じ情報を元に、完全に合理的」に行動することを指します。そして、通貨が安定している事も条件です。

しかしながら、
1:実際には、金融機関勤務のトレーダーや官僚・経営者などの非公式な情報交換など、情報を持っている人が偏っている(情報非対称性)

2:多くの人は「雰囲気に呑まれて」投資をするので(分かりやすいのは1980年代の土地バブル。みんな土地を買え買え!ムード。今は「国債暴落って言っても大丈夫じゃね?」ムード。)、合理的に行動しない

3:中央銀行が通貨を印刷し放題(当然、安倍首相や黒田日銀総裁の性格や思惑を知っている関係者は、彼らの思惑に乗っかって過剰に投資する)

という3つの理由があって、市場は往々にして失敗するのです。

普通に考えたら、通貨を一定の法則に従って発行し、全員が合理的に行動すれば、バブルも通貨の暴落もなさそうなんですが、残念ながら、今の世界は何千兆円という”富裕層のお金”がぐるぐると、てこの原理(レバレッジ)を使って世の中を回っています。

それらの市場の圧力に、スイスはフラン暴騰を避けられなかった(※)形。

市場をぐるぐると回ってるお金の力は、一国の中央銀行が制御できるレベルではなくなってきています
(一国の中央銀行<<市場が扱うお金、なのです)。

今回のスイスフランの暴騰やその逆に賭けていた個人投資家やヘッジファンドも数知れず、損をした人も多いです(逆に、これまでスイスの中央銀行の為替調整を予想して賭けて儲けていた人や、今回の暴騰で儲けた人も多いですが。いずれにせよ市場は荒れました)。

過去、通貨危機はいっぱいあったので、
「安定した通貨にした~い」ということで、ヨーロッパ圏ではユーロが導入されました。

昔は、マルクスが死ぬ前に「世界共通通貨でもどうかの?」って言ったんですが、アメリカが「やだ~やだ~」って言ったので、ナシになりました。
(ドルは基軸通貨なので、好き放題印刷できた方がアメリカも喜ぶ。)

ただ、ユーロに加盟してもデメリットをこうむる、と判断した国(や国民の空気)も多く、ユーロに加盟しない国も多くありました
(または国の経済の信用度的に、できない国もありました。今で言うと、ギリシャが信用度的にギリギリラインでした(というか、追い出したいと思っている国も、ユーロ圏の中ではあります))。

そんな訳で、通過って複雑なのですが、ちょうど良い機会なので、これを機会に今回のような通貨危機がなぜ起こるのか?について勉強してみると、経済の事が良く分かり、良いと思います。

また、貨幣経済は新しい次元に向かっており、情報革命と相まって、価値観の変更を及ぼすでしょう。

13~16世紀ごろのヨーロッパって、宗教社会だったんです。

経済より、信仰を信じていたんです。

それが、お金お金って言いだしたのは、ここ数百年のことなんです。

なので、13世紀あたりからのヨーロッパを中心にすると

「信仰信仰信仰・・帝国武力帝国武力・・マルクス社会主義ぃぃぃぁあああ・・・
やっぱ資本主義!資本主義お金お金お金~年金運用~~ヘッジファンド~・・・
うはっwwww通貨ヤバwwwww
ちょwww俺の資産wwww
→やっぱ情報と知識ぉぉおおおああ~~~」
って感じでこれから変わっていっても、おかしくないのです
(どう変わるかは、誰も予想できませんが)。

価値観が変わるって、チョット信じられないかもしれませんが、第二次世界大戦前くらいまでは、マルクス社会主義(国による完全雇用達成と管理社会)を今の資本主義経済の仕組みより信奉していた人は、いっぱいいたのです。

で、第二次大戦が終わって、「資本主義も終わったなぁ・・・次が何が来るのかなぁ・・」って思ってたら、技術革新により、とんでもなく生産性が向上して、世界の人や日本人は「やっぱ資本主義ぃぃ~!!」ってなったのです。

だから、この先「やっぱ○○主義!!」って変わって行ってもおかしくないのです。



さて、為替がふっとぶ理由について、

●初心者にオススメの本はこちらです。為替の事が良く分かります。
http://www.amazon.co.jp/dp/4093793050

●サブプライムや外資系投資銀行については分かりやすいまとめが少ないので、オススメ本は迷いますが、賛否両論はありますがこちらの本が良いと思います。
http://www.amazon.co.jp/dp/4478020892

大学生などは、読んでおいてはいかがでしょうか?
(就活には絶対役立ちます)。

以上です。

【追伸.情報革命について】
最後に、歴史は農業革命→工業革命と来て、
個人的には2008年頃まで、工業革命の最後のサブ革命として「金融革命」ってのが続いていたと思います。

で、「金融革命」→2008年~「情報革命」が始まっていくので、これから100年くらいかけてヤバいパラダイムシフト(価値観の変更)があります(2008年頃ってのはあくまでだいたいなので、線をどこにひくかだけの問題ですが)。

“じゃあ、次なる「価値観」って何だろう?”

以下はドラッカーのまとめも借用しつつですが、人間の価値観として主要なものは、

13世紀からたどると

宗教人(国教会的な)→知性人(ルネサンス的な)→政治人(帝国植民地的な)→経済人(ブルジョア資本主義的な)→(一部の国で)共産人→経済人2(第二次大戦以降の生産性革命)[金融革命終わり](←今ココ)
という感じになってます。

IT革命については、2000年のITバブル終焉など、序の口です。

あれはドットコムブームの終わりですが、あのあたりからITへの入口整備の始まりが始まったといったところです。

21世紀は、情報革命が上記の「人間の価値観」に大きな変更をもたらします。

てかもうもたらしてます。

「お金に価値観がおかれなくなるって、どういうこと?あり得んの?」って感じですが、
デフレ経済に慣れた日本国民の生き方も、だいぶバブル期とは変わってます。

「あくせく働いて、稼ぐぜぇ~っ!モーレツサラリーマンだぜぇ!」
って言ってお金を得たら豊かになると思って頑張ってたのが、

「ほどほどで良くね?」
ってなり、

「おいお前、空気読めよ!悟れよ!バランス良く生きて行けよ。希望とか持たずにSNSやろうぜ」
ってなっていって、既に価値観は大分変更されています。

まだ、「お金・貨幣」に重きが置かれていますが、今からはスマホ・電脳・無料ゲーム・VR(バーチャルリアリティ)的な世界が無料・安価で大量に流通します。

テレビが大量に無料で家庭に進出してきて、家庭のあり方・価値観を変えた以上の変化です。

全員がネットに繋がって、コミュニティが分断され、経済がグローバル化し、多国籍国家ではトライブ(民族)主義が盛り上がったり、いろいろあります。

デフレ経済で「お金を稼ぐことが期待できな~い」ってなるのはまだしも、通貨や資産の不安定性から多くが「お金そのものが信用できな~い」っと”思った”際の国民の総意としての空気・価値観が、経済人3とでも言うべき、お金に重要度を置いたまま遷移するのか、

それとも別の価値観になるのか、どうなるのかは、まったく予想できないのです。

そんな訳で、激動の時代なのですが、チャンスも多いのでシッカリ家族・友達・社員と団結して乗り切りたいですね!

追記:
この記事は金融関係者が書いたものじゃないので、間違いを多く含む可能性もあります。

勘違いあればご指摘ください。